理想の住まいを実現するためのリノベーションやリフォーム。少しでも理想のお家に、少しでも長く住めるように、と願う気持ちは誰しも同じです。その想いを実現するのをサポートしてくれるのが、国や地方自治体が実施している補助金や減税制度です。

お金まわりの情報収集には苦手意識がある方もいるかもしれませんが、賢く利用すれば予算に余裕が出て、ワンランク上のオプションが付けられたり、家具を追加購入できる可能性が出てきます。使えるサポート制度が無いか確認しておいて損はありません。

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この記事を参考に、キッチンやお部屋のデザインプランと並行して、補助金制度や減税についても知っておきましょう。

リノベーションやリフォームをサポートしてくれる制度がある理由

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まずはどうして国が、リノベーションやリフォームを後押しする制度を設けているのかを考えてみましょう。

日本にはたくさんの「住宅ストック」があるのはご存知ですか?住宅ストックとは中古物件のことです。今、日本ではこの住宅ストックが総世帯数を上回り、空き家問題などの原因となっています。これまでの「建てては壊す」の流れを、すでにある資産を生かす「優良ストック住宅市場の創造」へと変えたいと国は考えています。そのため、問題解決に寄与する質の高いリノベーションやリフォームに対してはサポート策を設けているのです。

事業がうまくいくいけば、既存住宅の寿命を長くするためだけでなく、省エネ対応住宅が増えることによって地球環境を守ることに寄与できたり、子育て世帯の生活環境が整備されるなどの効果が見込めます。

ご自身のリノベーションが社会貢献にもなるのは、なんだか嬉しいですよね。
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また、補助事業や減税制度を活用できる基準を満たすことは、金銭面のメリットだけでなく、工事の質が上がるなど質の良い家づくりに繋がります。金銭面以外の事業活用のメリットは以下のとおりです。

インスペクションのメリット

インスペクションとは、床・壁の傾きや雨漏り、白アリの被害など、 日常生活上に支障があると考えられる劣化事象の有無を把握するための現況調査のこと。リフォーム前に必ず行う必要があります。

工事開始前のインスペクションにより、リノベーション、リフォーム対象の住まいの劣化状況を確認でき、腐朽・蟻害箇所、雨漏り箇所など傷んでいる部分を補修できます

構造躯体等の劣化対策及び耐震性が確保されるメリット

構造躯体が長持ちすることにより、長期にわたって住み続けることができます。また、耐震性が確保されることにより、地震時にも安心して暮らせます

性能向上によるメリット

断熱性能が向上し快適に暮らせるほか、冷暖房の効きが良くなり、光熱費の軽減が期待できます。耐用期間が比較的短い給排水管の日常点検や清掃、交換がしやすくなります。

リフォーム工事を進める上でのメリット

リフォーム計画の内容や工事結果について、一定の基準で審査されるため安心です。また、本事業を実施しようとする住宅リフォーム業者はHP上で公表されるため、業者選びの参考にもなります。

※参照:長期優良住宅化リフォーム推進事業事務局HP「令和3年度」

国以外にもそれぞれの自治体による独自の制度もあります。制度を活用することで総予算を圧縮でき、減税や補助で削減できた分を家具に当てたりもできます。次の章で具体的な補助事業と減税制度を見ていきましょう。

国や自治体からの支援は「補助金」と「優遇税制」の2つ

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国や自治体が設けている支援制度には「補助金」と「優遇税制」があります。それぞれについて、代表的な事業を紹介します。

【補助金】

1.耐久性・耐震性の改修

・長期優良住宅化リフォーム推進事業

〈概要〉
良質な住宅ストックの形成や、子育てしやすい生活環境の整備等を図るため、既存住宅の長寿命化や省エネ化等に資する性能向上リフォームや子育て世帯向け改修に対する支援を行う事業。戸建住宅、共同住宅の両方が対象です。

〈金額〉
補助対象リフォーム工事費の1/3の額。リフォーム後の住宅性能に応じて3つの補助限度額があります。
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※参照・出典:長期優良住宅化リフォーム推進事業事務局ウェブサイト「令和3年度」

2.介護・バリアフリー

・高齢者住宅改修費用助成制度(介護リフォーム)

〈概要〉
自宅で介護が必要となった際、手すりの設置や床段差の解消など、介護をする・受けるのに適した住宅にリフォームする費用負担を軽減してくれる制度。介護保険制度による補助制度であるため、介護対象者が要支援・要介護の認定を受けている必要があります。

〈金額〉
上限を20万円とし、工事費用に対し7~9割が補助され、補助割合は所得に応じて変動します。原則ひとり生涯20万円までですが、要介護状態区分が重くなったとき(3段階上昇時)や転居した際は、再度20万円までの支給限度基準額が設定されます。

※申し込み窓口は各自治体になるため、条件や申込み方法など詳細は各自治体のウェブサイトで確認ください

3.エコ・省エネ・断熱

・高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業(断熱リノベ)

〈概要〉
住宅に断熱材や断熱効果の高い窓などの高性能建材を用いて、断熱リフォームを行う際に適用される制度。

〈金額〉
補助金の上限は、戸建て住宅一戸あたり120万円、集合住宅一戸あたり15万円で、補助対象経費の1/3以内。
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※参照・出典:公益財団法人北海道環境財団「既存住宅における断熱リフォーム支援事業 公募情報」

・次世代省エネ建材支援事業(次世代建材)

〈概要〉
既存住宅において、省エネ改修の促進が期待される工期短縮可能な高性能断熱材や、快適性向上にも寄与する蓄熱・調湿建材などの次世代省エネ建材の効果の実証を支援する事業。前出の「断熱リノベ」が断熱に特化しているのに対し、本事業は蓄熱・調湿建材などの付加価値建材を含めたリフォームの際に活用できます。

〈金額〉
補助率は補助対象経費の1/2以内。

▼外張り断熱の場合(戸建て対象)
補助金の上限額は一戸あたり300万円

▼内張り断熱の場合(戸建て、集合住宅が対象)
補助金の上限額は戸建て一戸あたり200万円、集合住宅一戸あたり125万円

※参照・出典:一般社団法人環境共創イニシアチブ「令和3年度 次世代省エネ建材の実証支援事業」

・ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業(経産省ZEH)

〈概要〉
太陽光発電や蓄電システムなどで発電したエネルギーと消費エネルギーが同じになる、つまりエネルギー収支がゼロになる省エネ住宅「ZEH(ネット・ゼロ・エネ ルギー・ハウス)」へのリフォームをした際に活用できる制度。

〈金額〉
補助額上限は60万円〜。ZEH補助金は、対象となる住宅が「ZEH」「ZEH+」「次世代ZEH+」のどれに該当するかによって補助額や交付要件が異なります。各住宅の要件定義や補助金の詳細はウェブサイトでご確認ください。

▼経産省戸建ZEH 令和3年度 ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス実証事業「次世代ZEH+実証事業 公募情報」
https://sii.or.jp/metizeh03/zehplus/public.html

この他、各自治体ごとに用意されている補助金の制度は、「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」から調べることができます。

▼令和3年度版は7月公開を予定しています。現在掲載の情報は、すでに終了している制度も含みます
http://www.j-reform.com/reform-support/
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【優遇税制】

リフォームで減税対象になるのは「所得税」と「固定資産税」です。加えて、「贈与税」が発生しそうな場合、条件が合えば非課税になるケースもあります。

1.所得税の控除

減税の対象は、耐震、バリアフリー、省エネ、同居対応、長期優良住宅化リフォームとその他の一定の要件を満たした増改築等工事です。所得税の減税制度は3種あり、制度ごとに対象となるリフォームの種類が異なります。

【減税制度の種類と対象となるリフォームの種類】

耐震 バリアフリー 省エネ 同居対応 長期優良住宅化 左記増改築等工事
①投資型減税(リフォームローンの利用有無にかかわらず利用可能)
②ローン型減税(償還期間5年以上のローン利用の場合)
③住宅ローン減税(償還期間10年以上のローン利用の場合)

・投資型減税
リフォームローンの利用有無に関わらず利用可能です。最大控除額は20万円〜。リフォームの種類によって異なります。

・ローン型減税
償還期間5年以上の ローン利用の場合に利用可能です。最大控除額は62.5万円。

・住宅ローン減税
償還期間10年以上の ローン利用の場合に利用可能です。最大控除額は400万円。

2.固定資産税の減額

減税の対象は、耐震、バリアフリー、省エネ、長期優良住宅化リフォームです。 リフォームの種類ごとに減税額が異なります。
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なお、減税制度の併用可否は以下のとおりです。
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※参照・出典:一般社団法人住宅リフォーム推進協議会「住宅リフォームの支援制度」

工事時期や業者選びは、支援制度に合わせるのが得策

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ここまでご紹介した制度の多くは、年度の前半に締め切りが設けられていることが多く、期限内であっても予算に達すると締め切られます。国や自治体が指定する業者でなければ支援制度を利用できないこともありますし、事業者によっては必要書類を作成できないケースもあり得ます。そのため、リノベーションを検討し始めたら、制度の下調べを後回しにせずに、使えそうな制度から逆引きして業者選びをしたり、補助金を利用できるようにリノベ―ションの内容自体を見直した方が良いと言えます。

また、着工前に申請が必要だったり、着工から工事完了までの工程を指定の期間内に終えないといけない場合もあります。申請、着工、工事完了のタイミングを利用予定の制度と照らし合わせ、リノベ事業者と相談しながら進めていきましょう。

2021年度の各制度の申請時期は以下のとおりです。夏前に締め切ってしまうものも多いので早めの確認が安心です。
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情報量も多く、馴染みのない言葉が多いので、補助金関連の情報収集はリノベーションの中でも取り掛かるハードルが高いと思います。ただ、うまく活用すればご自身のプランをグレードアップさせてくれる可能性があるので、実は最も早く着手したいことのひとつです。

国の制度と市町村の制度の併用、補助金と減税の併用もできます。プロの手を借りながら、賢く活用できるといいですね。

※本記事で取り上げた内容は2021年5月現在、編集部で抜粋して掲載しております

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