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リノベーションの話が具体的になるにつれて、気になってくるのがローンの話。「リノベーション」と「リフォーム」はどちらも理想の住まいを実現する手段ですが、お金を借りる際にはその違いをしっかりと理解しておく必要があります。

「リフォーム」は、古くなったり劣化したりしたものを「元の状態に戻す」行為。対して「リノベーション」は「新しく作る」こと。快適な暮らしを実現する現代的な住まいに再生できる点が、リフォームとの違いと言われています。

リノベーションとは | 一般社団法人 リノベーション協議会
https://www.renovation.or.jp/renovation/about/

この記事では、リノベーションならではのローンの組み方やスケジュール、ローン設計の際に気をつけることをご紹介します。ローンの基本を押さえて、理想の住まいを無理なく楽しく実現しましょう。

利用できるのは住宅ローン?リフォームローン?

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借り入れをする場合、住宅購入なら住宅ローン、リフォームならリフォームローンが基本。ではリノベーションの場合、どちらが当てはまるのでしょうか?まずはここから確認していきましょう。

住宅ローンとリフォームローンの違い

住宅ローンとリフォームローンの違いを、表にまとめてみました。

住宅ローン リフォームローン
ローンの審査基準 高い 低い
担保の有無 あり なし
金利 低い 高い
返済期間 長期間 短期間

リフォームローンは、借り入れ額が最大1,500万で、返済期間も5〜15年ほど。審査が厳しくない代わりに金利が2~5%程で高いため、住宅ローンに比べて月々の支払い負担が大きくなるケースもあります。

なお、表中に出てくる「担保」の有無とは、「抵当権」が必要かどうかを意味します。抵当権とは、金融機関が土地と建物にかける権利のこと。ローン契約者が完済できない時に備えて、金融機関が「家を担保にすること」です。

リノベーションと組み合わせできるローンの検討を

中古物件を購入してリノベーションする場合におすすめなのが、「一体型住宅ローン」。最近は多くの銀行で用意されています。

メリットは、住宅ローンの金利が適用されて返済期間が長い点。さらにローンを1本にまとめられるので、審査や手続きの手間が省けて諸費用を削減できます。

この諸費用は、じつは軽視できないポイントです。ローンを申し込む際には、通常手数料や保証料などの費用がかかります。住宅ローンとリフォームローンを併用すると、この諸費用が2回かかるんです。でも一体型ローンなら手間が半分で、この諸費用も1回分で済むので、お得ですね。

加えて、金利が安くなるのも魅力です。リノベーションはスケルトンリノベーション(※)をはじめとして施工が大規模になることが多いので、金額も跳ね上がりがち。物件購入以外のコストでも、数%の金利の差でも、かなりの節約になります。

※スケルトンリノベーションとは:構造躯体だけを残して内装や設備をすべて取り払うこと。間取りの大幅変更や構造補強が可能。

例えば住宅金融支援機構の「フラット35(リフォーム一体型)」は、中古物件の購入とリフォームを一体で行う人向けの住宅ローンとして、たくさんの銀行で導入されています。

ご自身の費用感に合わせて、どのローンが最適なのか検討してみてくださいね。

▼「フラット35(リフォーム一体型)」商品概要
https://www.flat35.com/files/400352489.pdf

▼「フラット35(リフォーム一体型)」取扱金融機関
https://www.flat35.com/files/400352330.pdf

物件の決定とローン設計は、同時進行がおすすめ

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リノベーションを同時に行うときのローン設計における注意点は、中古物件の「耐久性」を考慮することです。

築数10年の古民家やヴィンテージマンションなどの物件を選択できるのも、リノベの醍醐味! しかしそういった古い物件を選ぶ際は、ローン審査が下りるのかどうかも合わせて検討しておく必要があります。特に築30年以上の物件を検討している場合は、要注意。

まずは、昭和56年以前に建築確認を受けた、旧耐震時代の建物でないかどうかを調べましょう。旧耐震規定では、大地震が起きた時に不安が残ります。リノベ経験者からは、「購入した直後に大規模修繕が決まって追加費用が徴収された」「耐震工事のようにデザイン以外の費用が、予想以上にかさんだ」などの声も。とはいえ、現在建っている物件は、過去の地震の耐震性はあるため、建物の状態も合わせて判断するのがおすすめです。

また、借入期間や金額の上限が新築物件と違ってくる可能性を知っておきましょう。

住宅ローンの審査では、借入期間の最長期間の決定に「耐久性」が影響します。そのため、中古物件では新築の場合よりも借入期間が短くなることがあるのです。

金額についても、借入金の上限が低くなる場合があります。これは物件の「担保価値」が中古と新築で異なるからです。担保価値とは、万が一ローンの支払いができない状況になった際に、その物件を売却して得られる対価のこと。中古物件は建物の価値が新築時よりも減少した状態で購入するため、希望通りの金額が借入できない可能性があります。

このように魅力的に見える物件であっても、物件として「価値」があるかどうかの評価は別のところにあるのが中古物件の難しいところ。先に紹介した【フラット35】も、住宅の耐久性に関しては、適合証明書を取得できる物件かどうかが条件に入っています。

ローン設計と物件選びは、切っても切れない関係です。好きな物件を契約した後に「希望していた返済期間でローンが組めなかった!」「住宅ローン減税が受けられない……」とならないように、ローン審査に影響する要素を理解した上で物件選びを進めましょう。

なお、物件購入とリノベーションを同時に進行する場合の流れは、こちらの図を参考にしてください。物件探しや申込とほぼ同じタイミングで、ローンの事前審査を始めていますね。

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リノベーション費用の申請は多めに!が鉄則

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もう1つ、リノベーションのローン審査で重要なのが、物件購入以外の内装や設備にかかる費用の予算目処を、初期段階でわかっておく必要があること。

住宅ローンにリノベーション費用も盛り込んで借り入れる場合、申請金額はなるべく多めに見積もっておきましょう。なぜならローン審査にかけた金額が後から減る分には問題ないのですが、増額できないからです。

思っていたよりもリノベーション費用がかかって増額すると、ローン審査はイチからやり直し。そうならないためにも、申請時の金額は多めにしておくのがおすすめです。

申請金額には、リノベーションにかかる諸費用分を入れるのも忘れずに。住宅ローンの資金用途は、物件の購入資金や改装資金の他、関連する諸費用を含めて良いことになっています。

なお、リノベーションに関してかかる諸費用には、以下のようなものがあります。金額についてはあくまで例です。

物件購入にかかる諸費用

費用を支払うタイミング 必要な項目と目安の費用
売買契約時 ・手付金(物件価格の5〜10%ほど) ・購入諸費用(仲介手数料の半金・物件価格の約3%が上限)など
物件を引き渡す前 ・印紙税(2万円)※ローン契約 ・購入物件の残代金(物件価格-手付金等) ・購入諸費用(仲介手数料の精算金/火災保険料(約15~20万円)/管理費・修繕費の清算金/固定資産税・都市計画税の清算金/登記費用/司法書士の報酬) (中古一戸建て/物件価格の6%~10%、中古マンション/物件価格の5%~8%)など
物件を引き渡した後 ・リフォーム費用 ・引越し代や家具購入費用 ・不動産取得税 など
家を買った後の支払い ・住宅ローンの返済 ・家の所有者にかかる税金 ・管理費 ・修繕積立費

住宅ローンにかかる諸費用

項目名 目安の費用
融資手数料 数万円~数十万円(大手銀行は32,400円が基本)
契約の印紙税 1,000万円超~5,000万円以下の契約:2万円 5,000万円超~1億円以下の契約:6万円
抵当権設定登記費用 数万円~数十万円
ローン保証料 借入金額に対して約2%

リノベーション関連の諸費用

項目名 目安の費用
工事請負契約の印紙税 100万円〜200万円以下のもの:400円 200万円〜300万円以下のもの:1,000円 300万円〜500万円以下のもの:2,000円 500万円〜1,000万円以下のもの:1万円 1,000万円〜5000万円以下のもの:2万円
リノベーション会社に代行してもらった書類作りや申請の費用 数万円~数十万円

建設工事請負契約書の印紙税の軽減措置|国税庁
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/12/03.htm

この他にも新調する家具の費用や、新しい物件の駐車場代の支払いが先に始まってしまうケースもあります。

諸費用と聞くと少額をイメージしがちですが、住宅購入に関わる諸費用はかなり大きな金額です。銀行によっても異なるため、事前にしっかり把握し、ローン申請の費用に組み込むのをお忘れなく。

物件購入とリノベーションの開始タイミングは同時に

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先に物件のみを購入して、数年後にリノベーションをしようかな、と考えている人がいるかもしれません。しかしローンの観点からは、物件購入とリノベーションをできれば同じタイミングにするのがおすすめです。

物件購入時は住宅ローンを使用する人がほとんどだと思いますが、住宅ローンは「ひとりひとつ」が原則。数年後にリノベーションで再度住宅ローンを使用しようとすると、もう一度抵当権を設定しなければならず、抵当権設定に関わる諸費用も発生します。

また、物件購入時の住宅ローンと別の金融機関で借入をする場合、住宅ローンの借り換えも必要になり、そのための費用まで発生します。

もし近い将来リノベーションをするつもりで物件を購入するのであれば、無駄な手間や諸費用を無くすためにも、物件購入とリノベーションを同時に開始するのがおすすめですよ。

中古物件は、引き渡しに手間取る場合もあれば、逆に売り主の都合で引き渡しが急に決まることもあります。せっかく見つけた一期一会の物件。基本の「き」を押さえて、購入からリノベーションまで、後悔しないように進めていきましょう